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「医心方」は、一千年以上前、後漢の霊帝の後裔である医家、丹波康頼によって編纂され、永観2年(984年)、円融天皇に献上された日本最古の医学書です。 中国宋代までに著された医書・仙書・仏書・哲学・文学など200余書(一書でも50巻100巻という膨大な量)の文献を網羅し、当時の高度な研究によって全30巻にまとめられたものです。

神仏頼みと思われていた時代に、千種類以上もの動植物・鉱物など、薬剤の豊富な知識を駆使し、現代医学が対象とする傷病に対し、現代の漢方医学と同一もしくは現代を超えると思われる処方も記されています。 「医心方」は、有史以来人類がどのように傷病や災厄と戦ってきたのかを物語り、心身健美に対するあらゆる願望や悩みに応える知の集大成といえます。

長きにわたり全貌を知る人のない幻の書とされてきましたが、江戸末期に幕府により模刻版が刊行され、その労苦と歓びの様は、文豪 森鴎外の名作「渋江抽斎」に描かれています。

現存する「医心方」は、国宝として京都・御室の仁和寺に保存され、世界的文化財といわれています。

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